今日は、一緒だから
コーヒーはテイクアウトにした。
ひとりじゃない日は、
それだけで
静けさの質が少し変わる。
ベンチに座る。
膝の上のぬくもり。
風の通り道。
その小さな身体が
そっと鼻を動かして
季節の匂いを確かめている。
何も話さなくても、
呼ばなくても、
ときどきこちらを見上げてくる。
その瞳に、
曇りはない。
ただ、まっすぐに
そこにいるだけで
不思議と、息が整っていく。
陽に照らされながら、
まぶたが、
少しずつ重たくなっていく気配。
そろそろ帰ろう。
ごはんの時間が近いね。