[ブログ小説] 嫌いな夏とアイスコーヒー
暑い夏の日差しとのギャップのせいで、店内は薄暗く、その効きすぎた冷房がやけに心地よかった。 どちらかというと暑がりの私は夏が嫌いだ。 カランコロン 重いドアを押して店内に入る。 タバコの煙とコーヒーの香りが混ざった何とも良い香りが、日常と非日常のちょうどいいバランスに感じていた。 席についてその店のマッチででタバコに火を付ける。 マッチで火を着けるといつもよりタバコが旨いよな。 仲間の誰かが言って […]
暑い夏の日差しとのギャップのせいで、店内は薄暗く、その効きすぎた冷房がやけに心地よかった。 どちらかというと暑がりの私は夏が嫌いだ。 カランコロン 重いドアを押して店内に入る。 タバコの煙とコーヒーの香りが混ざった何とも良い香りが、日常と非日常のちょうどいいバランスに感じていた。 席についてその店のマッチででタバコに火を付ける。 マッチで火を着けるといつもよりタバコが旨いよな。 仲間の誰かが言って […]
小さい頃に父親とたまに行く喫茶店が大好きで、幼いながらに昭和ならではの喫茶店の雰囲気に居心地の良さを覚えていました。 私はミックスジュースを毎回飲んでいて、父親はブラックコーヒーを飲んでいました。 幼い頃にはコーヒーの美味しさはもちろん理解できず、なぜあんな不味いものを飲んでいるのか理解できませんでした。 思春期になり父親と出かけることも恥ずかしくなり、パタリと喫茶店には私は行かなくなりました。 […]
小学生の頃に親が飲んでいるブラックコーヒーを見て、飲んでみたいという衝動に駆られて口にした時の衝撃は忘れられません。 苦いしなぜこんなものを飲むんだという気持ちがありながら、大人の真似事をしたくてそれからブラックコーヒーを無理して美味しいと言って飲んでいて、おませな子供でした。 夜にコーヒーを飲むと寝られなくなると言われて試してみましたが、私は夜に飲んでも問題なく寝ることが出来ていたので、コーヒー […]
私がまだ大学一年生の頃の話である。 学科内で仲良くしていたD君と喫茶店巡りをする事になった。 地方の田舎出身である私たちは、都内のどこに行っても観光地の様に感じ楽しかった。 D君も九州の田舎出身であった為か、きっと同じ様に感じていて気が合ったのだろう。 行く場所はすぐに決まった。 東京の喫茶店で有名な場所といえば神保町だ。 おのぼりさんな私達は第一にメジャーな所に行きたかったのだ。 そんなこんなで […]
今でもコーヒー専門店といいうお店、それなりに見かけます。 しかしカフェ全盛の現代、一時よりもその数は減ってしまったということも、また事実です。 昔は喫茶店とコーヒー専門店が覇を競ったこともありました。 まだコンビニコーヒーなどもなく、おしゃれなカフェなどもなかった昭和のことです。 なので2択、外でコーヒーを飲むなら喫茶店かコーヒー専門店だったのです。 大別してしまうと、喫茶店はゆっくりと時間を過ご […]
コーヒーの香りとともに記憶に浮かぶのは、音楽です。 外で飲むコーヒーには、音楽がつきものでした。 もちろん今でも、コーヒーを出すお店で音楽を楽しめるところもあります。 しかし少し前の時代にはコーヒーの香りと音楽、そして当時はタバコの煙と匂いが、そうした店の大きな特徴だったのです。 コーヒーと音楽とタバコで、ゆったりとした時間を心ゆくまで過ごすという、現代ではあまり味わえない楽しみ方でした。 営業周 […]