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喫茶店が舞台

[ブログ小説] Coffee占い Cのお告げ

「今日はカルデラ湖か、まいったなぁ」 冴子はつぶやいた。一人暮らしを始めて一年、コンビニの百円コーヒーもバカにならないと、家でコーヒーを淹れる日々。しかしこれが、なかなか上手くいかない。ポジティブ思考でいこう、と自己流のコーヒー占いを思いついた。飲み干したカップの底の模様で占う、トルコのコーヒー占いのように神秘的でも想像的でもないが、クオリティの定まらないモーニングコーヒーには、一日を予想するヒン […]

[ブログ小説]  傷ついた心にカフェラテを

私が一人でカフェに行くようになったのは、ある出来事がきっかけだった。 学生の時友達とお茶するためにカフェに行くことはあったが、一人で行くことはほとんどなかった。 コーヒーならコンビニでも買えるし、本を読むのは家でもできる。 わざわざカフェでコーヒーを飲む必要はない。 そう思っていた。 その考えが変わったのは、新卒入社した会社を早期離職した後だった。 私は新卒で入社した会社を半年で逃げるように辞めた […]

[喫茶店が舞台の超短編小説] コナコーヒーとウクレレ

私には思い出のカフェとコーヒーがあります。 日本の最南、鹿児島県のとある海沿いのお店。 サーファーが立ち寄るので店内は南国風の作り。ビーチの砂がお客さんと一緒に入って少し白混じりの床に、ゆったりとしたJAZZと街中のカフェでは流れないような海とよくマッチしたウクレレの音楽。 ここで毎週、仕事の休みの日にサーフィンをした後、海を見ながら珈琲を飲んで日頃のストレスから解放されるのが楽しみでした。 そこ […]

[ブログ小説] Days of Wine and Rosesを流しながら

彼と過ごす時間。そこにはいつも、コーヒーとジャズがあった 音楽を通して知り合った彼は、コーヒーをこよなく愛していた。 出会ったころは、ジャズの練習で顔を合わせるくらいだったが、しだいにおたがいの話をするようになった。 週末には、二人でカフェに足を運んだ。 コーヒーのこと、ジャズのこと、彼の学生時代のこと。 彼はいろいろな話を聞かせてくれた。 運転する彼の横顔と黄色い秋の道。 けだるいテンポでAut […]

[ブログ小説] さよならあなたとブラックコーヒー

とある女性とコーヒーの物語 その1 25歳の秋、2年半付き合った彼とお別れをしました。 彼と私は知人の紹介で知り合い、初めてのデートは彼が行きつけのカフェへ。 私は甘いカフェオレ、彼はブラックコーヒーを頼んで時間が忘れるまでいろんな話をしました。 私たちは頻繁にこのカフェでデートをし、お互いのことを知って行きました。 「ここのブラックコーヒーが世界で一番好き、いつか君にも飲んでほしい」それが彼の口 […]

[ブログ小説] 赤い缶コーヒーとバンドマン 

とあるバンドマンの話。 「いらっしゃいませ。」 平日8時30分頃、君はいつもお店に来る・・・ 毎回買っていくものは、決まって同じ赤い缶コーヒー。 僕は、25歳。バンドマンをしている夢追い人。 夜にはスタジオ練習やライブがあるから、昼間にコンビニでバイトしている。 早くバンドが売れて、バイト生活から抜け出したいが、今のところまだまだバイト生活が続きそうだ。 「バンドマン」という肩書でチャラそうに見ら […]