[ブログ小説] さよならあなたとブラックコーヒー

とある女性とコーヒーの物語

その1

25歳の秋、2年半付き合った彼とお別れをしました。

彼と私は知人の紹介で知り合い、初めてのデートは彼が行きつけのカフェへ。

私は甘いカフェオレ、彼はブラックコーヒーを頼んで時間が忘れるまでいろんな話をしました。

私たちは頻繁にこのカフェでデートをし、お互いのことを知って行きました。

「ここのブラックコーヒーが世界で一番好き、いつか君にも飲んでほしい」それが彼の口癖でした。

でもブラックコーヒーが苦手な私はいつも甘いカフェオレで、ブラックコーヒーを飲むことはありませんでした。

出会って2年後の夏、彼から突然意外な一言を言われました。

「東京で本当はやりたい事があったんだ。ずっと言えなくてごめん。」

田舎者の私は東京についていく勇気はなく、半年後遠い町に旅立つ彼を見送りました。

こんなに長い時間を共にして、たくさん色んな話をしてきたのに、私は彼のやりたいことや考えていることを聞いてあげる事が出来なかった。

そのことがなんだかとても悔しくて彼との思い出のカフェに行きました。彼が世界一好きだと言ったあのブラックコーヒーを飲みに。

その2

私は結婚して主人の両親には同居を進められましたが私はしばらく主人と二人暮らしをしたいと言い同居は辞めてアパートに主人と住んでました。

その時は専業主婦で主人と朝食を食べて主人を送りだし私は片付ける前に必ず一杯のコーヒーを飲む習慣がありました。

そのコーヒーを飲まない限り家事をする気が起きない、そんな感じの毎日で主人が休みの時は二人でコーヒーを飲んでからそれぞれ行動してました。

それが何年かして主人の両親と同居の話が出て、高齢者と言うこともあり同居になりました。

私にとって生活習慣が変わりました。

朝食は家族で食べてから私はすぐ食器洗いに入ります。

正直、コーヒーが飲まないとやる気が出ないのですが、コーヒーは掃除全般が終わって一息ついた時にしか飲めない、初めはストレスでした。

私にとってやる気を起こす朝食後のコーヒー。

それが出来なくなっただけで一息ついた後のコーヒーはなんか美味しくない。

私の至福のひとときの朝のコーヒー。

あの日に戻りたい。

思い出の中のコーヒーはいつも美味しかった。

その3

~1日1杯の至福の時間~

毎朝子供とご飯を食べながら飲むコーヒーが私にとって一番の幸せの時間です。

バタバタしがちな朝ですが、この時間だけはゆっくりと過ごすことができます。

子供と一緒に椅子に座ってご飯を食べている子供を見ている時間が1日の始まりを感じられ、今日は何をしようかと考えながら過ごすリラックスタイムになっています。

この時間以外にもコーヒーは飲みますが、それらは仕事しながらなどが多いのでゆっくり楽しめるのは朝だけです。

なのでわたしは毎朝のコーヒータイムが1日の中で一番幸せを感じられる好きな時間になっています。

飲むコーヒーは特に決まっておらず、インスタントのときもあればドリップを楽しむときもあります。

その時の時間と気分で数種類の中から選ぶようにしています。

そのために、家には常に4種類以上のコーヒーを常備しています。

わたしは朝にカフェインを摂取することで体も目覚め朝から動けるので、朝以外にに飲むときはノンカフェインを選んだりもします。

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