小さい頃に父親とたまに行く喫茶店が大好きで、幼いながらに昭和ならではの喫茶店の雰囲気に居心地の良さを覚えていました。
私はミックスジュースを毎回飲んでいて、父親はブラックコーヒーを飲んでいました。
幼い頃にはコーヒーの美味しさはもちろん理解できず、なぜあんな不味いものを飲んでいるのか理解できませんでした。
思春期になり父親と出かけることも恥ずかしくなり、パタリと喫茶店には私は行かなくなりました。
しかし大人になり社会人として働くようになり、久々に喫茶店を訪れてみるとマスターもお店の雰囲気も昔から全く変わっておらず、幼い頃の思い出が蘇りました。コーヒーを始めていただいた時に、やっと美味しさに気がつけてそれからは思い出の喫茶店のコーヒーとしてたまに足を運んでいます。
思い出の喫茶店で雰囲気も本当に好きでまさに昭和レトロなところがたまらないので、知人にも紹介したいなと常々感じていますが自分だけの特別な場所という気持ちから、なかなか他の人に教えたくないという気持ちもあって自分の中での葛藤があるくらいです。
長年他の人には教えていませんでしたが、やはり自分の特別な人にだけという気持ちから本当に親しく以前からお世話になっている友人に紹介したところ、とても気に入ってくれて価値観が同じということから更に親しくなりました。父親との思い出の場所が、今では自分の居心地が良い最善の場所になっていて、ずっと続いて欲しいなと思っています。
もちろんマスターも年齢を重ねていくので今後もお店が続いていくのかとという不安もありますが、マスターのお子さんもいるのでもしかしたらお店を受け継ぐのかなと少し期待もしています。
マスター自体は無理に継がせる気はないどころか喫茶店の経営は今の時代では大変なので辞めておいた方が良いという考えもあるみたいで、常々自分がお店に立てなくなったらお店は閉めようと考えているようですが、心変わりして誰かマスターの意思を受け継ぐ人に繋いで欲しいなと感じています。
もちろん今のマスターだからこそない心地の良さや、コーヒーの味もありますがやはり思い出の詰まった喫茶店がなくなってしまうのは寂しいし、永久に続けて欲しいです。
しばらくしてから父親と2人で久々に足を運んでみると、幼い頃に戻ったような気持ちになれたし久しぶりに童心に帰ってミックスジュースを注文してみると、昔ながらの変わらない味がして冷たいジュースなのに心が温まりました。