卒業おめでとう。忘れられないカプチーノ

学生時代二年間、私はカフェでバイトをしていました。

立派なコーヒーマシンに厳選されたコーヒー豆を使用している本格的なお店で、初めて見る複雑な機械たちに胸がドキドキしました。

私の仕事といえば下がった洗い物を片付けたり、出来上がったコーヒーをお客様に運んだり、直接コーヒーを淹れる機会はありませんでしたが煎った豆の香りに包まれて仕事をしている時間はなんだかとても幸せな気持ちになりました。

半年が経った頃、チーフマネージャーが言いました。

「君もそろそろコーヒーを淹れてみない?」その一言に胸が踊りました。

先輩たちにコーヒーの淹れ方、エスプレッソの落とし方などを教わり、中でもカプチーノはとても難しく、ミルクの泡立てる角度や温度で完成度が全然違うことに驚きました。

練習用の安い牛乳を買ってきては空いている時間に何度も練習して、一年かけてお客様に出せるくらいのカプチーノが作れるようになりました。

大学も卒業を迎え、カフェでのアルバイトも最後の日、チーフマネージャーが作ってくれた最後のカプチーノには「卒業おめでとう」の文字。

就職した今でもそのカプチーノは忘れられません。

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